2026年10月16日
メキシコのためにブランドを変える必要はありません。変えるべきは、人々との出会い方です。
メキシコに進出するエンターテインメントの権利者にとって、世界的な知名度が現地での需要を保証するわけではありません。IPのアイデンティティを守りながら、プロモーション、オーディエンスとの関わり方、パートナーシップを適応させることが、現地とのつながりを築く助けになります。ブランド保護、適切な体験の形式、そして実行力のある運営パートナーが、事業機会を評価するうえでの中心となります。

執筆:Pedro Quinzaños、Grupo Aro創業者
私がメキシコについて話してきた権利者は皆、初回の打ち合わせに二つの懸念を抱えてやってきます。口にするのが一つだけだとしてもです。
口にするのは、「ここで成功するだろうか?」。そして、口にしないことが多いのは、「自分の手を離れたら、ブランドはどうなるのだろうか?」です。
どちらももっともな懸念です。そして私の経験では、一つ目よりも先に、二つ目に答えるべきです。
メキシコではブランド保護が最優先
メキシコには、海賊版という現実の問題があります。知名度のあるIPが話題とともに上陸すれば、模倣品や非公式グッズ、その名前に便乗して商売をする人々が現れます。公式の体験施設がオープンする前に現れることさえあります。それを無視する権利者は、ローンチによって生まれる価値の一部を他人に渡していることになります。
登録や権利行使は重要ですが、保護は法務だけの仕事ではありません。運営上の仕事でもあります。ブランドをどう見せるか、誰に使用を認めるか、公式の体験の見た目や雰囲気をどうするか、非公式な使用をどれだけ速く発見し、対処するかを管理することです。私たちが展開するブランドでは、これは初日から業務の一部であり、問題が起きた後の後始末ではありません。ライセンサーは、本気で取り組む現地パートナーであれば、当然これを求めるべきです。
世界的な名声が、そのまま現地の需要になるわけではない
二つ目の想定外は、それほど目立ちませんが、同じくらい高くつきます。海外では完売するIPでも、ここではほとんど知られていなかったり、権利者が想定するより狭い層にしか知られていなかったりすることがあります。世界的な知名度は有用な背景情報です。しかし、現地の需要そのものではありません。
だからこそ、ローンチは成功を前提とするのではなく、組み立てる必要があります。メキシコでは、すでに誰がこのIPを愛しているのか。適切な形で紹介すれば、誰が好きになってくれるのか。どのチャネル、パートナー、タイミングなら、その人たちに届けられるのか。よく知られた名前は、会場やスポンサーとの対話の扉を開きます。オーディエンスを獲得することは、それとは別の仕事です。
メキシコでのライセンシング:ブランドはそのままに、つながり方を適応させる
自分たちのIPを「ローカライズ」したがる相手に権利者が警戒するのは当然です。権利者は明確なルールを持つものを築いてきたのであり、キャラクターやストーリー、ビジュアルアイデンティティの変更は選択肢にありません。
変える必要もありません。適応させるべきなのは、ブランドを取り巻くすべてです。どう宣伝するか、どの現地パートナーが展開を担うか、どんな機会や季節に登場するか、オーディエンスにどう参加や共有を呼びかけるか。IPそのものは、まったく変わりません。メキシコのオーディエンスとの出会い方を、その人たちのために設計するのです。適切に行えば、オリジナルへのその敬意も、現地でのローンチに信頼性を与える要素になります。
流通を超えたブランドの代理業務
ブランドを代理することと、流通させることの違いはここにあると私は考えます。流通事業者は商品やチケットを販売し、今四半期の販売数量で成功を測ります。流通を超えた代理業務とは、その地域におけるブランド価値に責任を持つことです。どのパートナーと組むか、どう見せるか、どの提案を断るか、非公式な使用にどれだけ速く対処するか、そして3年後に、この地でのブランド価値が上陸した日より高まっているかということです。
ライセンサーにとって、この違いはローンチ時の数字には表れません。後になって表れます。契約更新の際に、次に展開すると決めるIPに、そして、他のあらゆる場所で価値の源泉となってきたものを失わずに、メキシコで成長したブランドにです。
そのうえで形式を選ぶ
そこまで考えて初めて、形式を検討する意味が生まれます。短期間のポップアップ、巡回展示、常設アトラクション、既存の集客施設内でのコラボレーション。それぞれ、必要な資金、ライセンス条件、人員配置、リピート来訪による採算性が異なります。強力なライセンスは、期待値が高いぶん、弱い形式のコストをさらに高くすることがあります。
運営パートナーは、会場と同じくらい重要です。開発事業者には場所があっても、ノウハウがないかもしれません。プロモーターはチケットを売れても、技術チームを持っていないかもしれません。運営事業者は優れた施設を運営していても、国際的なIPを保護した経験がないかもしれません。適切な相手との組み合わせには、最初に届く熱意ある提案以上の価値があります。
エンターテインメントIPをメキシコとラテンアメリカへ
確立されたエンターテインメントIPを保有、または代理し、メキシコやラテンアメリカでの展開を検討しているなら、そのブランドが最も強い市場でどんな意味を持つのか、そして誰にも絶対に変えさせたくないものは何かを教えてください。メキシコのオーディエンスとどこでつながれるのか、私たちならどう保護するのか、そしてどのパートナーがその展開を担うにふさわしいのかをお示しします。
関連記事:メキシコとラテンアメリカへの参入障壁と、その乗り越え方 · 立地、立地、立地 — ただしメキシコでは、立地とは人々がすでに通っているルートを意味する
